通訳検定2級合格のコツ
Brenda流
<合格ラインは?>
<受験決断から合格まで>
●通訳試験研究会サイト訪問(2002.3)
●受験申し込み&過去問入手(2002.4.1〜4)
●過去問に着手(1次試験)(2002.4.9〜)
●計画をたてる(1次試験)(2002.4.15)
●1次試験受験(2002.6.2)
●過去問に着手(2次試験)(2002.6.14)
●計画をたてる(2次試験)(2002.6.21)
●2次試験受験(2002.6.30)
●合否通知受領(2002.8.2)
<1次試験を振り返って>
<2次試験を振り返って>
<合格ラインは?>
初挑戦で通検2級に上位合格できました(2002年春期)。1次も2次も自信がなかったので、
合格通知を頂いた時は頭の中が「???」でいっぱいでした。通検は市販の問題集がないので、
日本通訳協会が発行している過去問2年分(約8000円)を入手するところから始まりますが、
問題集の模範解答はとびぬけてすばらしく、それだけで圧倒されて自信を喪失してしまい、「ま
だまだ実力不足だから今回はやめようかな」と思ったくらいですが、実際合格してみて振り返る
と、私が書いた解答は模範解答のレベルからは箸にも棒にもひっからないレベルで、1次試験の
選択問題も全く自信ありませんでした。通検の合格ラインははっきりしていないのですが、この
ような状況から察すると、1次試験の合格ラインは高くても7割(あるいは6割5部)。2次試
験も7割くらいだと思いますが、採点基準はかなり甘く、筋さえ通っていれば多少の文法ミスは
ほとんど考慮されないレベルではないかと思われます。
ですから、過去問に飲まれてしまっている皆さん。大丈夫です!やってみて「半分できたかで
きないか・・」と思われたらかなり脈ありです。
<受験決断から合格まで>
〜受験決断(2002.3.21)から合格(2002.8.2)までの約4ヶ月間の流れです。
具体的にとった行動についてはBrendaのお花と英語の日記の<英語日記>をご参照ください。
(上へいくほど新しい内容になりますので、スクロールアップしながらご確認ください)〜
●通訳試験研究会サイト訪問(2002.3)
受験決断後にまず訪問したのが通訳試験研究会のサイトです。
ここで簡単なオンライン模擬試験をやってみて感じをつかみ、掲示板で質問したり過去LOGを
読んだりして、試験日程や試験形態、受験申込法、過去問の入手方法等の基本情報と、「英検な
どと比べて通検用の情報は非常に少ないこと」「合格基準や採点基準は明らかにされていないこ
と」などの情報を得ました。
●受験申し込み&過去問入手(2002.4.1〜4)
とりあえず1回目はウオーミングアップとして受けようと考え、成り行き上、過去問を入手す
る前に日本橋丸善で受験申し込みをしました。過去問は銀行から日本通訳協会にお金を振り込ん
で入手しました。
(詳細は通訳試験研究会のサイト参照)
●過去問に着手(1次試験)(2002.4.9〜)
1次試験の過去問を兎に角やってみました。1999年と2000年分しか無かったのですが、1週間
で1年分ずつ、2週間かけてじっくりといてみたところ以下のような手ごたえを得ました。
・ボキャブラ問題は英検1級より難しい。
・長文読解は、時間的に余裕がある分、英検1級よりは優しく、文章も理路整然としていて非
常にわかりやすい。(Newsweekなどを読めれば十分対処できる)
・時事的事象の正否を○×式で問う問題が最も難しく、1/3もわからない(が○×なので全
部○でも半分とれる)。
・時事用語の英訳は、英検対策に以前茅ヶ崎出版の月間英語教本をやっていたので、比較的優
しい。(ただし最新のトピックは英字新聞などでキャッチアップしておく必要がある)
・英訳・和訳は難しい用語はないが、まるで同通をやるように斜線でぶったぎられた短い塊ご
とに上から訳すのはテクニックが必要である。
●計画をたてる(1次試験)(2002.4.15)
過去問で、自分の苦手部分はボキャブラと時事的事象と頭ごなしの英訳・和訳 だということ
がわかったので、これらにだけ焦点をあてて、1次試験受験まで約3ヶ月の勉強計画をたてまし
た。
ボキャブラ対策としては、1月から継続させてきた、Newsweekを1日5ページ読み、わからな
い単語は無視しないでその単語を含むフレーズを書き取ってフレーズごと覚えるよう努力しまし
た(参考))。
時事的事象問題対策には朝日キーワード(2002年春)を1ヶ月かけて読破した後は毎朝日経新聞
を5分読みました。
頭ごなしの英訳・和訳には、デイリー読売社説の英訳と和文を使って、自分で適当な部分に斜
線をいれながら、上から順次、意味のある文として訳出する練習をしました。
※具体的に勉強に費やした時間・日程などは会員計画&達成率のBrendaの部分をご参照ください。
●1次試験受験(2002.6.9)
1次試験を受験しました。
会場は日米英会話学院でした。冷房が効きすぎて寒かったです(カーデガンが必要!)。
受験者が少ないせいか、あまり緊張感がなく、会場の雰囲気は和やかでした。20代後半〜
30代の女性が多かったような気がします。
試験時間は意外に短く、見直す余裕はありませんでしたが、TOEICや英検1級ほどには疲労し
ませんでした。
●過去問に着手(2次試験)(2002.6.14)
2次試験は大きく分けて英文部分逐次訳、英文→和文要約、和文部分逐次訳 で構成されて
います。すべて筆記であり、各文章は3回づつ聞くチャンスがあるので、時間があれば前の
問題に戻って直すことも可能です。3回も同じものを聞くことができ、スピーチの速度もゆ
っくりなので、記憶力を試される試験ではありません。如何に即座に正しく意味の通じる訳
ができるかどうかが問題のようです。
●計画をたてる(2次試験)(2002.6.21)
1次試験の合格通知を受領してから2次試験までにはたった10日しかないので、弱点克服
だけに注力しました。過去問をやってみて最も苦手だったのは英文→和文で要約 でした。
120語くらいの英文を聞いて、3分で80〜100語の和文にまとめなくてはならないのです。
一定量の英文を短い時間で和文にまとめる練習をすればよいと考え、あえてリスニング教材を
使用せずに、天声人語の和文・英文をまとめた本を持っていた(3〜4年前のでしたが・・)
ので、適当な量の英文を一読した後、タイマーで計りながら和文で要約しました。やってみ
てわかったのが、起・承・転・結 一文づつ書くのに2分30秒かかります。残りの30秒
は見直しの時間にあてていっぱいいっぱいです。本番もこのぺースでやってみたら何とか全て
訳せました。
●2次試験受験(2002.6.30)
2次試験はさすがに緊張しましたし、1次試験よりはるかに消耗しました。終わったあと一服
するため、魔法瓶にコーヒーを入れて持っていくことをお勧めします。
とにかく時間がないんです。誤字脱字を直す暇などもっての他。エンジン全開で飛ばしまくら
ないと遅れをとってついていけなくなってしいます。
一番悲惨だったのが和文部分逐次訳で、英文を素早く書く練習をしていなかったので、頭では
訳ができあがっているのに手が追いつかないんです。これは5問ともすべて全体の7〜8割しか
訳せませんでした。(つまり、最も重要な結論まで至った回答がほとんどなかった)
何でこれで上位合格できたのか本当に謎です。
●合否通知受領(2002.8.2)
合否通知は分厚い封筒に入って来ました。英検などはぺラっとしたハガキ1枚なので、ちょっ
と期待と不安が入れ混じった気持ちで封を開けると、まず目に入ったのがアンケート用紙でし
た。「上位で合格された方に・・」とかなんとか書いてあり、恐る恐る同封の合否通知ハガキ
を見ると、何と合格しているではありませんか! アンケートはできるだけ多くの人に出して
もらうために全員に「上位で合格したあなたに」と書いて送ってるんだろうと思いましたが、
通訳試験研究会HPの掲示板を見るとそうでもないらしく、すごくうれしかったですが、和文英
訳の手ごたえが惨憺たるものだったので、「なぜ?」という気持ちが未だに消えません。
日本通訳協会への合格体験記は忙しく、また写真と実名で載ってしまうのもどうかと思ったの
で提出できませんでした。(日本通訳協会さま申し訳ございません!)
合格証書は後日改めて送付され、その後通訳士として登録もできるそうですが、まだ合格証
書は届いていません(2002.9.1)→2002.9.4に届きました!2002年合格者への通訳士への登録
については来年の2月に案内がくるそうです。
<1次試験を振り返って>
1番のボキャブラ選択が最も高度でした。高度すぎて、どんな選択技があったかも忘
れてしまいました。自信があったのは半分以下。あとは消去法で残った単語を「こ
の単語意味知らないけど選んじゃえ」みたいな感じで選びました。運が良くても6
〜7割のはずです。
2番、3番の読解は自身があります。過去問よりも優しかった。うまくいっていれば
満点かもしれません。
4番の時事問題はやっぱり難しかったです。
自信があるのが
・映画「ハリーポッター 賢者の石」の監督はスピルバーグ→×
・ワールドカップサッカーの決勝はソウルで行われる→×
・新庄がMVPと新人王受賞→×
くらいで、後は全部○にしたから、15問中、(15−3)/2+3=9問 だか
ら6割正解くらいかな。
5番の時事用語英訳はくせがあるものが多かったです。合ってるか間違ってるかは置
いといて、こんな程度しかできなくても合格できるんですよということを示すため
に、覚えている範囲で私が実際に書いた回答を添えておきます。
※正解を書いている訳ではないので、解答としては参考にしないでください。
指示待ち人間 :order-waiting people
非営利団体(NPO) :non-profitable organization
広報部(会社の) :PR department
社会の風潮 :social trend
先駆的な :advanced
社会のためになる :beneficial for the society
企業も変わってきた:companies have been changing
生き残る :survive
良くて7割ですかね・・
6番の和訳・英訳は、「得意なサイエンス系だ!」と喜んだものつかの間、しんどか
ったです。「我々の生活にとって身近な光が如何に人類に恩恵をもたらす存在か」
みたいな文でしたが、
「SF映画のようなミサイル迎撃システムへの応用」(Anti-missile razer beam as
seen in science fiction movies・・みたいに訳しました) とか、
「光速の1/10の速度で進むことができる」(can fly at a speed of one tenth of the
light speed のようなボテボテの訳しか出ませんでした)
といったような悩ましいフレーズが散りばめられ、予想以上に時間を食ってしまい、見
直しもろくにできませんでした。
これも7割くらいだと思うんですよね・・
という訳で運が良かったとしても、
1番 10点
2番 9点
3番 10点
4番 9点
5番 7点
6番 27点
計 72点 なので70点くらいが合格ラインではないかと思います。
<2次試験を振り返って>
2次試験はスタートダッシュ・粘り強さ・集中力・速記力につきると思いました。
(それほど記憶力は必要ないと感じました)
最大の勝因は、通訳試験研究会の掲示板で頂いたPiroさんからの、
「1回目はメモを取らずに全体的な文の構成把握につとめる」というアドバイスだと
思います。タイマーを使っての訓練も役立ちました。また、普段ワープロなれしてい
ますので、(2次に合格するには)字を書く早さは訓練すべきだと思いました。
逆に筆記で得したと思ったのは、何回か同じ文を聞いていくうちに、主語と目的語
を逆に取り違えるというとんでもない間違いをはじめの方でしていたことに気づき、
次の問題の説明に入るタイミングを見計らって戻って直したりできたことです。声に
出す試験だったら完全にアウトでした。また、採点基準はそれほどシビアではないよ
うなので、無理して完璧な文章にしようとせず、字が汚くても何でもいいから兎に角
できる限り全体をバランスよく訳すことに注力し、最後まで諦めないで集中すること
が重要だと感じました。
※受験時のメモを完璧な形で保管していたつもりだったので、実際の試験内容もいつ
でも再現できると思っていたのですが、そのメモがどこかにいってしまい、上記の
ような抽象的な感想だけになってしまいました(申し訳ないです!)。
メモが出てきたら内容についても記したいと思います。